先日、DECCAN HELRALDの記者より、取材を受けた。毎週月曜日のメトロセクション(ローカル版)に、バンガロールに住む外国人 (EXPAT)を紹介するコーナーがあるということで、そこで取り上げたいとのことだった。
30分ほどのインタヴューを受け、写真を渡した。ついついしゃべりすぎては、「あ、これは書かないでね」などとお願いしつつ、取材する方も簡単ではないが、取材を受ける方も簡単ではないと再認識した。
一旦取材を受けた以上、記事については記者に任せるべきとはわかっている。けれど少々心配になり「物議を醸すような話題は避けてね」と、一応頼んだ。
ちなみにそれは、義父の再婚の話など、である。インドで、義父の世代で、再婚とは非常に珍しいケースなのだ。しかもウマは離婚歴がある女性。それもまた珍しい。
そんな二人が両親であり、因習に囚われない家族だからこそ、妻が夫より7つも年上かつ異国人であるという、基本タブーな結婚が、しかし難なく受け入れられたわけでもあるのだが。
ともあれ、普段は購読していない新聞を、ドライヴァーに買って来てもらい、どきどきしながら開く。
うわ! 写真、でか!!
こんな記事に、こんなスペースを割くべきなのか? と自分のことながら突っ込みたくなるほどに、それはどでかい記事である。紙面の4分の1以上を占めている。
二人で一緒に写った写真は意外に少なく、しかも「写りがよいもの」がなかなか見つからず、過去のブログの写真などを遡りつつ、ようやく見つけた2年前の写真@京都は金閣寺。
水面に写る金閣寺さえくっきりと、カシミール地方の刺繍入りのストールの、その柄さえくっきりと、その写真は力いっぱいでかいのである。
そして、どきどきしながら記事を読む。
だって、まずいことが書かれていたら、家族の顰蹙を買うこと間違いなし! だもの。ならまずいことは話すなよ、と言われそうだが、ついつい調子に乗ってべらべらしゃべってしまうものなのよ。
と、大きな文字&赤い色でハイライトになっている一文が、目に飛び込んで来た。
ま、まずい!
カジュアルな日本語に置き換えてみるに、
「ニューヨークに住んでたときはね、夫と喧嘩したときは、しょっちゅう煮詰まってたの。でも、こっちに来てからはね、夫の家族にも話を聞いてもらったりしてね、それって結構、助かるのよ〜! わはは」
みたいな感じである。これは言い換えれば、夫に対する不満を義理の家族にチクる、ということである。
実際、そういうことは何度かあった。昨年、デリーを訪れたときも、夫と大バトルを展開し、見かねた義父ロメイシュに仲裁に入られたことがあった。
当時、あまりにもストレスフルな事態だったこともあり、わたしは精神的に疲労困憊だったのだが、それを理解せずに畳み掛ける夫に腹を立て、取り乱したのである。悔し涙を流しつつ、義父ロメイシュに、
「あなたの息子はね〜っ!」
と、息子の悪行の数々を暴露したのだった。我ながら、鬼の形相であった。
義理の家族が「超温厚」なのをいいことに、わたしったら、なんて妻。
そんな古い話はさておいて、だ。この赤字部分。間違いなくマイハニーからの突っ込みが入る。ブログで夫のことを自由に書かせていただいているのは「日本語だからこそ」である。
ちょっぴり罪悪感もあるけれど、でも、彼の動向は、書かずにはいられないほど、おもしろいんだもの。
さて、出社直後の夫から電話。同僚が新聞記事を見つけて持って来てくれたらしい。「新聞の記事、読んだよ!」第一声は朗らかだ。
あ〜よかった。妻は何気に、小心者なのだ。
が、続く言葉は予想通りであった。
「ミホ、あの赤い文字のところは何? どうしてあんなこと、しゃべるかな。しかも思い切り目立ってるし」
突然、声のトーンが沈む夫。
「あ〜。あれは30分の取材のなかの、ほんの数秒のコメントなのよ〜。ああいう話題が、メディアにとっては興味深いんじゃないかな〜? ほら、優等生的な発言って、おもしろくないでしょ?」
妻はなにやら、しどろもどろで弁明である。夫はといえば、わたしが懸念するほど気に留めていなかったようで、「はいはい」といいながら電話を切った。その後、記事のコピーをメールで家族に送付していた。
よ、よかった……。
なんだかよくわからんが、微妙にストレスフルな朝であった。
ちなみに記事は、DECCAN HERALDのサイトに掲載されているので、ご興味のある方、読んでいただければと思う。
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